FAQ,Tips

guitarec cafe では、皆さんの BBS(現在休止中)への書き込みやメールを元に、技術的なものを中心に FAQ にまとめてみました。

FAQ(ギター編)

FAQ(デジタル録音/MIDI 編)

G1:エレクトリックギター選び

R1:VXpocket~ソフトシンセ(発音タイミング)

G2:最初の壁 F(〜コードチェンジ)

R2:ダイレクトボックス(DI)~2408

G3:ギターが弾きにくい(〜演奏芸術医療)

R3:ダイレクトボックス(DI)~VXpocket

G4:ギタリストとしての適性(〜腱の連結)

R4:宅録の音をもっと良くしたい

G5:正式に習ったほうが良いのでしょうか?

R5:果たしてMIDI音源とVXとPBだけで?

G6:ストラトのオクターブピッチが合わない

R6:VXpocket/PB/デジパフォ(調子悪い)

G7:1週間で弦が切れます(〜ペグ1回巻き)

R7:アコースティックギターのデジタル録音

G8:ストラトの物理リバーブ(アンプラグド時)

R8:新規ファイルでエラー【デジパフォ3】

G9:ギターのボリュームを絞ると音がこもる

R9:DTMには先ず何を買えばいいのか・・・?
G10:ギターの改造について R10:録音時の量子化ビット数とサンプルレート

FAQ(MIDIギター編)

MG1:MIDIギターのエラー対策
MG2:歪ませたギターのレベル調整




ギター編

G1:エレクトリックギター選び

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Q:
初めてのギター(エレクトリック)を購入予定です。カタチの好きなものはあるのですが、その他の選択基準が判りません。

A:
初めてのエレクトリックギターというと、Stratocaster タイプが人間工学的に優れているのでおすすめします。

でも、出したい音がはっきりしている場合や、好きなギタリストのギターと同じカタチのギターを持ちたいという気持ちがあればそれはエネルギーになりますので、その方向でというのもありですね。

値段の手頃な国内ブランド(最近の製造は韓国が多いかな?)のエントリーモデルでもコンピュータ制御の工具がメインで一気に製造してますので精度も高くバラツキもほとんどないですね。

1990 あたりの Fender Japan(長野県産?)とかが都内の中古屋さんで安く売られてたりもしますけど、1970 年代の USA ものより材はともかく工作精度で見るなら良いものが多いです。音的にも殆どが申し分ないですね。

中古でも、さらに古くなるとビンテージと呼ばれて高くなってしまうし(お店にもよりますが)、バラツキも多くなってくるので選び方も少しシビアになってきます。これは次の段階ですね。

ビンテージと呼ばれるギターでは、当時の製造工程にコンピュータ制御のルーターとかも無く、パーツの流用などもよくあったようで、1本1本できあがりが違います。ビンテージギターは総じて軽く、持った感じは体に良くなじみます(でも高い)

G2:最初の壁 F(〜コードチェンジ)

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Q:
Fコードをちゃんと押さえたいのですが、きれいに音が鳴りません。コードチェンジの時にスムーズに押さえることができません。

A:
僕がギターを始めたときは、エレクトリックギターでも3弦がラウンド弦になっているような、今の分類で言うならヘビーゲージしか存在しませんでした。その後、大学生になったときでもまだ楽器屋さんにぶら下がってる新品はそんな状態でしたし、ライトゲージは輸入弦しかなく、これがまた高かった(ERNIE BALL で1セット \4,000 位)僕らは国産の弦、それも YAMAHA は高かったので、漫才師の人達が使ってた安くて太い弦(メーカー名:Night)をバラで買って細い弦から順に 1/1/2/3/4/5 と張りました。

こんな状態ですので、Fコードを押さえるというのは、高い壁でした。当時のギターはゼロフレットが存在して一見Fが押さえやすそうに見えたのですが、明らかに背の高いゼロフレットでした。

近年のエレクトリックギターの標準的な状態を考えると、もし‘F’コードを押さえること自体が辛い場合は、ギターのセットアップ(調整)ができていないのかもしれません。

調整ができているとして、コードチェンジがスムーズでないなら、チェンジの瞬間にすべての指をフレットから離して次のコードを押さえなおす方法もあるのですが、チェンジの前後で共通に使える指はできるだけ維持するとか、チェンジ直前の裏拍は鳴ってしまっても音楽的にOKな開放弦を鳴らすという方法もあります。

これらの方法はCD等からの耳によるコピーで少しでも同じように聞こえるように心がけていれば知らず知らずのうちに身に付いてくるでしょう。ギターでも英会話でもヒアリングコピーは大事ですね。例えば英会話教室でよくある光景、ネイティブの先生に続いて生徒が同じフレーズをしゃべるシーン、、、

先生:「ハッダーッ」生徒:「ホットドッグ」
先生:「ワルプリーズ」生徒:「ウォータープリーズ」
先生:「ジャスタリロビッ」生徒:「ジャストアリトルビット」

これではコピーになっていません。ギターの場合、段階にもよりますが目標とするサウンドとプレイに対してビブラートの振幅/周期まで完コピを目指すのです。この作業は耳も鍛えられるからです。しかるのちに自分のスタイルに合わせて消化(昇華)できればいいのです。

Guitarist/SYさんのA:
Guitar を始めて最初にぶちあたる壁。僕のまわりでも F でギターを諦めたひとがたくさんいました。

僕の場合、きれいに音が鳴らなくてもそのコードをおさえて引き続けました。2ヶ月後、音が鳴りはじめました。3ヶ月後、すべての弦が鳴るようになりました。レパートリーは一気に増えました。

きちんと鳴るようになってから気付いたこと。それは鳴らなかった頃とは明らかに押さえ方のフォームが違っていました。セーハしている人さし指と裏の親指がネックに対してきれいに垂直になっていました。コードブックなどを見て、それと同じフォームになっているかどうか?確認することも早道かも知れません。

Electric Guitar でしたら、必ずしも全部の弦を押さえる必要は無い場合が多いですが。僕の場合、アコースティックギターでしたので、全く鳴りませんでした。ボロボロってミュートにも聞こえないような音でした。

続けること。鳴らなくても。ちょっとづつどう押さえれば鳴るか?分かってくると思います。

G3:ギターが弾きにくい(〜演奏芸術医療)

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Q:
他人のギターと自分のを弾き比べると、どこが違うのか自分のギターのほうが弾きにくく感じます。

A:
音楽史上代表的な(私見)2つのタイプのエレクトリックギター‘Stratocaster’と‘Les Paul’を比べてみますと、同じゲージの弦を張ってもストラトのほうがスケール(ナットからブリッジまでの距離)が長いため、同じテンション(張り)ではピッチが低くなります。

そこで、正しいピッチになるまでチューニングペグを回して、さらにテンションを上げることとなります。故に同じ弦で正しくチューニングされたストラトとレスポールではストラトのほうがテンションが強いということになります。これは、レスポールのほうがチョーキングによる音程変化に要する力が少なくて済む事を意味します。でもこれは音程変化しすぎてチョーキングの際にシャープしやすいとも言え、バランスを取るためにレスポールには一段階太い弦を張る人もいます。

この他にもいろんな要素が絡んできますので「○○のほうが弾きやすい」とは一概には言えません。トータルのバランスによって決まってきます。

同じギターでも極端な例だと、高すぎるブリッジに反った(純反り)ネック、これに太めの弦、、、普通のギタープレイを想定すると、それは弾きにくいギターということになります。いつまで練習しても、ちゃんとプレイできた状態をイメージすることもできないでしょう。先ず練習の前にギターのセットアップ(調整)ができているかどうかが大切です。

調整をする上で、弾きやすさと音の良さが相反する場合もあります。個々のプレイヤーによってベストのセットアップポイントというのはプレイスタイルによって違うものです。調整と演奏を繰り返すうちに、調整の力学的意味もだんだんと理解できてきます。プレイアビリティー、サウンド、ボトルネック奏法の有無など、すべての条件を考慮して自分なりのベストなセットアップを見いだしましょう。

具体的な調整法については時々関係誌でも特集が組まれますので、そちらを参考にしていただくとして、ここではセットアップのもう一つの重要性について書きます。それはギターに接する時間が長い人ほど重要で、最大限の演奏効果を目指しながら同時に手指への負担を軽減する事です。

ヴォーカリストにとって喉が重要なのと同じように、ギタリストにとって手指はギター以上に重要かつ精密で、交換不可能なインターフェイスなのです。音大の学生のなかにも単に高い技術を要するフレーズの反復練習だけでなく、調整の不完全な楽器や鳴りの悪い生楽器での過酷な練習によって手指に障害をきたしてしまう人がいるそうです。

アメリカでは演奏芸術医療という医療分野の研究が進んでいて、全米に点在する専門医はギターやバイオリンのブリッジやナットの高さ、奏法、リハビリテーションから練習法、果てはテクニックにいたるまで言及するそうです。例えばフォルテで弾く場面では弦をはじく力が必然的に強まりますが、このとき弦を指板に押しつける力も同じように強まりやすく、そのことの蓄積が障害に繋がることがあるというのです。さらに彼らは楽器に合わせた治療用装具を作ってしまうような医学博士達だそうです。

また、彼らと連携する臨床心理学の専門医は、演奏活動への復帰の際の心理カウンセリングを受け持ち、全身全霊を注ぐ公演に対する不安を押さえるため、場合によってはベータ遮断薬(アドレナリン効果を遮る薬)を処方します。

演奏家の手指に障害が現れた場合、日本では今のところ整形外科かスポーツ医療の門をたたくことになります。このページをご覧の音楽好きの皆さんで、医師、理学療法士、臨床心理学への志をお持ちの方には、広く芸術/芸能活動に貢献できる、この演奏芸術医療という分野をぜひとも日本で開拓していただきたいものです。

G4:ギタリストとしての適性(〜腱の連結)

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Q:
ギターの上達には、やはり素質は関係するのでしょうか?

A:
やはりあります(関係します)。それは音感とかリズム感というものであったり、フィジカルな適性であったり、また人によってそれぞれの適性の度合いも違いますが、殆どがトレーニングによってかなり改善される部分でもあります。

フィジカル面での素質というと、ギタリストより特にベーシストやピアニストでは手が大きい方が有利という話はよく聞きますし、それは見た目でもすぐ判ることのひとつですね。でも、比較的手の小さい人でもストレッチをはじめ、訓練や工夫でその弱点をカバーして素晴らしいプレイをする人もいます。

ここでは、症例として多いにもかかわらず日常生活上困らないために、あまり一般的には知られていないことの一つである腱の連結についての話をします。

手指を曲げたり伸ばしたりする仕組みは、屈筋腱(掌側に引っ張る腱)と伸筋腱(指を伸展させる腱)が、お互いにバランスを取り合って操作しています。伸筋腱は親指以外のすべてに関与する総指伸筋と、特定の指に関与する固有指伸筋が人差し指と小指にそれぞれ存在し、屈筋腱は一本の指に対して一本ずつ存在します。ところがなかには薬指と小指の屈筋腱が手首の辺りで繋がっている人がいて、解剖学的変異と呼ぶそうですが、一般の人の 40% 以上が該当するそうです。

この腱の連結は、片手だけのこともあれば両手に見られることもあるそうで、右利きのギタリストの場合、あって欲しくないのは左手に現れることです。これは簡単なテストで判るのですが、僕の場合、右手は大丈夫なのですが、残念ながら左手がこれに該当します。ならば、レフティーになろうとギターを左右逆に構えて練習してみても、長年プレイしてきた上での左右反転というのもなかなか難しいものです。

外科手術による屈筋腱の分離(ピアニストの間で時々話題になるのは鍵盤に対して薬指を高く上げるための総指伸筋の分離手術)はできても、その後の演奏活動のことも見据えて、必ず成功するとは誰も保証できません。できれば薬指と小指がお互いの負担になるような動きがでる場面を、フィンガリングの工夫で改善することです。そのことが自分なりのプレイスタイルの確立に繋がったりもします。

ギターを教える立場にある人は、この問題を抱えた生徒の存在を把握しておいたほうがいいと思います。できるだけ早期の段階で、どの生徒が左手(左利きの生徒では右手)に腱の連結があるのかを把握できていれば、ごく初歩段階の生徒には左右反転の可能性、見合った練習法、生徒の望むプレイスタイルを考慮に入れた上で、場合によっては将来のプレイスタイルの示唆を含め、フィジカルな問題を克服する術(すべ)を共に考える事ができます。

G5:正式に習ったほうが良いのでしょうか?

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Q:
ちゃんとギターの先生について習ったほうがよいのでしょうか。

A:
僕のような年代のギタリストはほとんどの人が正式にギターを習ったことがないでしょう。

60 年代の前半、エレクトリックギターサウンドのインパクトをもろに受けてギターを弾きたいと思い始めた頃は、ローカルな駅前のレコード屋さんに行くと、レコード、レコード針、クラシックギター、ハーモニカ、リコーダー・・・、そして、教則本のようなものはクラシックやジャズの入り口付近について書かれたものがほんの少し売られていました。本屋さんでは、創世記の音楽雑誌の付録で、日本のフォークブームの原型になった PPM(ピーター・ポール&マリー)やブラザーズフォーの歌詞とコードネームが書かれたものなどがあっただけのように思います。

自分のことで言うなら特に運指に関してはセオリーから外れていると思います。プロの人でもロック系プレイヤーは元々左手小指の使用頻度が少な目で、フレーズの組み立てによっては全く使わなくても弾けてしまいます。僕は小指にボトルネックバーをはめたまま残りの3本の指である程度普通に弾けます。これは、ギタートリオのようにギタリストが一人のバンドでも通常の指弾きとボトルネック奏法がシームレスで行き来できるというメリットもあるのですが、それは小指の自由度を犠牲にして得ているメリットなので、これからという人には余りお奨めできるものでもありません。

今はいろんな資料が出回っています。このような資料(教材)は先人の知恵の宝庫ですので使わない手はないと思います。独学するにしても、入り口付近にいる人はそれなりのメソッドに従って効率的な奏法を目指すほうが手指への負担も軽減できますし、近道になると言えます。

ところが、先生やメソッドによって近道できているのだろうと安心してしまって、音楽的バックボーンを強化することを忘れてしまってはいけません。目標をどこに置くかにもよりますが、より上を目指すには音楽を聴いてプレイするだけでなく、「解析する」ということの積み重ねによって、目指す音楽に対する造詣を深めるという作業も待っています。これをも楽しみながらできれば最高ですね。

G6:ストラトのオクターブピッチが合わない

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Q:
オクターブ調整で6弦だけが合いません。他の弦は合うんですが、6弦のオクターブネジが完全にエンドピン側にいっても合いません。6弦の張り方が悪いのでしょうか?

A:
6弦のオクターブピッチ調整ネジによって、ブリッジサドルが完全にエンドピン側にいってもオクターブピッチが合わない事があります。個体差もありますが、弦の太さと弦高の関係で時々見られます。ストラトなら僕はそんな時、ブリッジサドルのスプリングをはずします。このスプリングをはずすと音が変わると言う人もいますが僕は気になりせん。それよりも楽器である以上ピッチが合わないほうが気になります。

あと、ストラトの持つ固有のチューニング問題があります。それはハムバッカーより磁力の強いシングルコイル×3というピックアップ構成による磁力の影響です。特に磁力の影響を受けやすいのが6弦で、ハイポジション押弦時にピックアップのマグネットに弦が近づくことが原因で顕著になります。状態は、少しピッチのずれた音(ほとんど倍音のない)が一緒に出ます。

対策はピックアップ、特にフロントPU(ネック側)とセンターPUの6弦側ビスで高さをある程度下げればかなり解消します。この辺りのポジションはほとんど使わない(弾かない)から気にしないという人もいますが、ジャズ屋さんでなくても結構使うと思いますよ。

G7:1週間で弦が切れます(〜ペグ1回巻き)

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Q:
1、2弦を使ったハマリング、プリング、トリル等をよくするんですが弦が1週間周期で切れます。弦をペグに巻くとき1回巻きです。

A:
1週間で弦が切れますか?いいんではないですか?もっと頻繁に切る人もいるし、弦に問題がある場合もあって張った直後に切れる場合もあり、またなかなか切らない人もいます。プレイスタイルで言うなら一般的にメソッドに忠実で効率的な弾き方の人は切りにくいでしょう。でも、個性的なギタリストの中には効率的でない人も多いと思います。

直接的な原因はチョーキングとピッキングの強さで、ハマリング、プリング、トリルは切る原因としては遠いですね。とはいえ、古くからある多くの楽器と同じようにギターも物理的な楽器ですので、随所に力学的要素が絡み合っています。ブリッジの頂点で切れることが多いでしょ?私見ですが、そこにフィンガーイーズでもレモンオイルでも差してやると幾分切れにくいように思います。

ペグに1回巻きですか?ロック式のペグなのかな?もしそうでなければ1回巻きでは摩擦係数が稼げなくて、切れることより1〜2弦ではスルスルと抜けそうでコワイです。

G8:ストラトの物理リバーブ(アンプラグド時)

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Q:
今日、弦交換してオクターブチューニングしたんですが、なんかリバーブのようなエフェクトが掛かったような感じになります(アンプラグドで)。

A:
Stratocaster のようにシンクロナイズドトレモロユニット実装モデルをアンプに通さないで弾いていると、リバーブがかかって聞こえるときがあります。

このシンクロナイズドトレモロユニットは、弦のテンションをはじめとするいろんな物理的要因で弦振動とボディー裏のスプリングが共鳴する場合があります。今まで鳴っていなくても弦の種類やゲージを変えたときなど、微妙に弦がスプリングを引っ張る力にも変化が起き、それまで一致していなかった共鳴周波数が一致して、物理的リバーブレーターになる事があります。原理的には、Fender 系のギターアンプによく内蔵されている、スプリングリバーブユニットによるリバーブと同じで、その現象が生音に起きているのです。

これもアンプを通すと関係なくなりますし、故に‘ストラト’とも言えるので気にしません。

G9:ギターのボリュームを絞ると音がこもる

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Q:
エレクトリックギターのボリュームをフルにしている時と少し落とした時の音の太さと言うか、音質がかなり違う気がします。

A:
エレクトリックギターの回路がパ ッシブサーキット(電源不要の回路)の場合、ボリュームを絞っていくと、High 落ち(こもる)していきます。パッシブでも1969年から70年代後半までの Telecaster は特殊で、ボリュームにローカットコンデンサーを仕込んでいて、絞れば絞るほどシャキッとしますが、その特性を嫌ってコンデンサーを外しているギタリストもいます。また、逆にこの効果を得るために Stratocaster のボリュームにこのローカットコンデンサーを仕込む人もいます。

一般に、フルボリュームの状態でも、ボリュームポット(可変抵抗)という回路を通過するだけで少しハイ落ちしています。それを避けることができるのがアクティブサーキット(電池が必要な回路)で、EMG に代表される PU を装着したコンポーネントギターが流行ったりもしましたし、僕自身 Alembic のアクティブサーキットを使っていた時期がありました。

60~70年代の音楽で聴かれるエレクトリックギターサウンドは聴いただけでギターのカタチがイメージできたものですが、80年代はそういったコンポーネントギターや、当時まだ解像度の低かったデジタルエフェクターの普及とも相まって、聴いただけでどういうタイプのギターを使っているのか判りにくいものが増えました。

G10:ギターの改造について

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Q:
楽器屋さんに行くと補修用だけでなく、いろんな改造用のパーツなどが売られていますが、ギターを改造するメリットは何ですか?

A:
ある時期、ヴィンテージギターでもピックアップ交換をはじめとして、改造が流行った時期がありました。

例えばピックアップの交換と一言で言っても物理的にサイズの小さいシングルコイルのものから大きいハムバッカーに交換となると、そういう交換を想定してあるものを除き、ボディーの木材部分を加工する必要が出てきます。これは、改造後のサウンドが気に入らなくて元に戻すと言っても、完全には戻らないことを意味しますので熟考が必要です。

改造の目的は、弾きやすくすることだったり、気に入った音にすること、見た目を自分好みにするなどですね。改造後の使用頻度が増せばそれは目的を達成したことになります。が、それがなかなか難しいものです。最初はしばらくオリジナルの状態で使ってみて、セットアップを煮詰めていって、それでも気に入らないところがあって、目的達成までの方法論が組み立てられる場合は考えてみるのも良いと思います。

フェイバリットミュージシャンの楽器やその他セッティング等は気になりますね。そしてそのミュージシャンと同じ事をしてみたいという欲求はごく自然です。

僕は以前、J-WALK(現 JAYWALK)に在籍中、相棒のギタリスト(知久光康氏)とともに雑誌の企画で Buzzy Feiten(バジー・フェイトン)と対談したことがあります。彼がドラッグでヨレヨレだった時期を克服して Neil Larsen(ニール・ラーセン)と来日したときでした。

彼のギター、メーカーはわからないのですがストラトシェイプで、ピックアップキャビティがフロントからリアまでざっくりとザグってあって、その間を一個のシングルコイルピックアップがスライドしてポジションを選べるようにしてありました。彼は「音色バリエーションが無限」のようなことを言っていました。アンプは小さいジャズコーラス(60W)でした。足元はワウだけだったかな?

全盛期のフェイトンと会っていたら、僕も彼と同じことをしようとしたかもしれません。が、木工的なザグリを広げるようなことは、極力しないほうがよいと考えています。

ヴィンテージにありがちな、かなりすり減って低くなったフレットの交換などはプレイアビリティー向上に即有効で、やや高めの状態から、少しずつ削ってもらって好みの高さにするという方法を採ってくれる良心的なリペア業者も多いです(塗装と同じくリペアマンの技術によって結果が左右される部分ではあります)

オブジェではなく、使うためのギターであって、少し手を加えることによって使う頻度が増すのであれば、その改造は大成功です。でも、あくまでもヴィンテージギターでは慎重に!




MIDIギター編

MG1:MIDIギターのエラー対策

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Q:
YAMAHA G50(Guitar to MIDI Converter)を入手しました。ところが、これをMacにMidi入力しますと、音程がときどき狂って入力されてしまいます。とくに、速いフレーズになりますとおきがちです。アルペジオのように弦がばらける場合はわりあい安定します。これを改善する方法はあるのでしょうか。

A:
ギターシンセ(MIDI Guitar)は気むずかしいですね。いい結果を出すために色々と闘うわけですが、これはもうセッティングとプレイを繰り返しながら最良のポイントを見いだすと言うことに尽きると言ってしまえばそうなのですが、僕なりに考えられることをもうしあげます。

ディバイデッドピックアップを取り付けるギターの善し悪しはかなり影響します。つまり、普通にプレイしたときに鳴りのバランスが良いギター、言いかえると普通に「良いギター」が良いのです。「ギタシンだからそのへんにころがってるギターでいい」ということはないのです。ギターシンセこそギター本体への要求がシビアだと考えてもいいぐらいです。良いマテリアルと正確なジオメトリーを持つギターなら、弦高は低めのライトタッチ傾向でセッティング。そこに、マニュアルに従って適切な弦との距離でタイトに取り付けられたディバイデッドP.U.の出力調整。と、ここまででライブ時などにセパレートモードでプレイする分にはかなりいけると思います。言うまでもなく、ピッキングはバラツキが少なく、正確なほど良いのですが、一度薄いピック(Thin)を試してみるのも良いかもしれません。

ギターシンセ(MIDI Guitar)からコンピュータ(マルチトラック同時レコーディングが可能なシーケンスソフト)への入力の場合、6本の弦全てに別々のMIDIチャンネルを割り当てるセパレートモードでの入力が本来のギター奏法の多くをカバーしますし、エラーも少ないので、まずはこの状態で始めるのがよいでしょう。この方法はトラック数、データ量共に多くなります。

比較的整理されたデータを目指す場合の方法として、コンピュータへの入力時はセパレートモードは使わず、コモンモードで入力することも可能です。この場合、同音異弦がない場合は1トラックのみ使用。同音異弦がある場合や、ユニゾンチョーキング/ダブルチョーキング、さらにアルペジオ時のハマリング/プリング等のように弦にごとにベンドの状態に相違がある場合は、その弦を別トラックにダビング(後から録音)することになります。

MG2:歪ませたギターのレベル調整

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Q:
SC-8850とDigital Performerを使っています。SC-8850のクリーンなEギターのパッチを選び、EFXのGTR Multiで歪ませています。他の楽器とのバランスを取りたいのですが、ボリュームやエクスプレッションを調整しても音量があまり変化しません。

A:
ギターを歪ませる(オーバードライブさせる)仕組みは、MIDI とは関係なくリアルなEギターの世界でも同様で、簡単に言うと以下のようになっています。

ギター 入力Amp OverdriveAmp 出力Amp

ギターの音を入力段で増幅してキャパの小さいOverdriveAmpに過大入力として送り、歪ませています。

OverdriveAmpが歪んでいる状態では音量が頭打ちになってコントロールチェンジのボリューム7番やエクスプレッション11番などを変化させても上図の入力Ampの前段ボリュームを操作していることになり、「歪み量は変化するが音量はそんなに変化しない」と言うことになります。リアルなEギターでいうと、ギター本体のボリュームノブを操作しているのと同じです。

歪んだあとの音量を変化させるには、出力Ampのボリュームを操作する事になります。つまりここではEFXのLEVELで変化させます。




FAQ(デジタル録音/MIDI 編)

R1:VXpocket/ソフトシンセ(発音タイミング)

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Q:
PowerBook G3/500にてHDRに挑戦中です。VXpocketの購入も考えているんですがレイテンシーの問題でいまいち腰が引けてます、ソフトシンセやソフトサンプラー(DS-1など)を多用するのでなにか良いアドヴァイスがあればお願いします。

A:
ギターや外部音源やヴォーカルを録音する時のモニタリングは、VXpocket 入力前のものを聴きながらプレイするということで大丈夫ですね。MIDI とオーディオのタイミングを各シーケンス(HDR)ソフトの設定法に従って合わせておけば、MIDI と録音したオーディオを Mix してプレイバックしてみても問題ないはずです。つまり、オーディオの入出力に関しては問題ないと考えています。

問題はソフトシンセやソフトサンプラー(DS-1など)使用時ですね。PowerBook G3/400(Lombard)+Digital Performer+DS-1(2.0.1) の場合ですと、

(1) DS-1 コントロールパネルの Audio IO を「Sound Manager」にすると、タイミングはほぼ大丈夫のようです。
(2) DS-1 コントロールパネルの Audio IO を「ASIO」にするとレイテンシーが目立ってきます。
(3) DS-1 コントロールパネルの Audio IO を「Plug-in」にして、Digital Performer のAuxトラックに出力した場合、タイミングの遅れも揺れも顕著になりました。

最終的にオーディオデータ化したいわけですので、(3)の方法を採りたいわけですが、こんな状態ですのでこちらでは現在ほとんど DS-1 を使っていません。コンピュータベースの HDR では、ただでさえ CPU にたくさんの仕事をさせているので、今のマシンパワーだと厳しいのでしょう。

ただこれは、VXpocket に限らずオーディオインターフェイスのレイテンシーよりも、DS-1(2.0.1)と CPU パワーの関係が問題なのでしょう。DS-1 は 2.0 から G4 に最適化(ベロシティーエンジンに対応)されているので、PowerBook G4 ならいけるかもしれませんね。

PowerBook G4 667 / VXpocket / DS-1 で [16bit/44.1KHz][24bit/48KHz] ともにかなり改善されていますが、こちらではAuxトラックに出力してモニターしている段階ではまだまだ遅れ、揺れともに顕著で、それもAudioトラックに録音してしまえば大丈夫なレベルになりました。(2001.12)
 
Manipulator/Manaboo!さんのA:
「Logic」でソフトシンセを使った場合、タイミング等全く問題ないそうです。「VST Wrapper」でも「Pluggo」でも(デジパフォでは)同じようにタイミングの揺れ・モタりはあるようなので、問題はDigi Performerにあるのでしょうか???

Bassist/じゅんさんのA:
ソフトシンセのタイミングの揺れについて楽器メーカーなどの方々と色々お話してきましたが、オーディオドライバ-に問題があるんだよねって話が出てました。それぞれのメーカーから出てるASIOなどのドライバ-がもっと精密に作られないと問題は解決しないらしいです。

R2:ダイレクトボックス(DI)~2408

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Q:
HDRの導入を考えてます。構想としては、G4+motu2408mk2+デジパフォでいこうと思います。録音方法として、ドラムはMIDI、Gt、Bassはラインでいこうと思います。そこでお聞きしたいのですが、ベースはBass->「bass driver D.I」->2408でつなごうと思うのですが、Gtは「POD2」か「GT-3」を挟もうと思うのですが、2408との間に「ダイレクトボックス」はひつようなのでしょうか?初歩的な質問ですみません。またこのシステムで他に何か問題があったら是非教えて下さい。

A:
2408 ですか?レベルが合えば AMP シミュレータから「ちょく」でもいけますが、ミキサーを噛ましたほうが何かと便利ですね。でも、ミキサーでノイズや歪みが発生する場合もありますので、注意が必要です。

ダイレクトボックス(DI)の目的として、アンバランスの信号をバランスに変換し、インピーダンス整合の上ミキサーへ送るということですが、ギターで民生用ミキサーへ送るのなら極端に長いケーブルを使うこともないでしょうし、大抵アンバランス入力を備えていますので DI は無くてもいいと思います。でも、DI 固有のサウンドが欲しいという場合はその限りではありません。

また、Bass でも DI だけでなく、アンプサウンドをねらう場合アンプシミュレータを使ってもいいですね。

いずれにしても、オーディオインターフェイスへ入る前にミキサーがあると何かと便利ですし、バランス出力を備えたミキサーも多いので、そのままオーディオインターフェイスのバランス入力へ送れます。

R3:ダイレクトボックス(DI)~VXpocket

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Q:
VXpocket はバランス入力だからダイレクトボックスは必要だろうと思うのですが、その後ミキサーにいったん通した方がいいのでしょうか?

A:
こちらでは、ミキサーから一旦パッチベイへ、その後、 VXpocket のアナログ In に接続してあります。ミキサーには、バランス出力(MasterOut)もあるのですが、標準プラグのパッチベイで MasterOut/AuxOut のいずれかをパッチングで選んだ後、バランス<->アンバランス変換ケーブルにて VXpocket のアナログ In に接続してあります。D.I は使っていません。

ミキサーの入力には各 MIDI 音源やアンプシミュレーターの出力、マイク(センドリターンでコンプ)、VXpocket のアナログ Out、等が刺さっています。

で、こうなっているとパッチングを含めて便利ではあるのですが、単独のパートを聴いているときは問題ないように聞こえていても、複数のトラックを同時に再生したときにノイジーに聞こえる場合は、ミキサーのクォリティーに疑問がある場合などで、実際に音を取り込むときには少々手間でも、マイクプリ後やアンプシミュレーター後なら、アウトレベルも合わせられるので、ミキサーをバイパスして VXpocket へ直接送ったほうが音質的には有利な場合があります。

R4:宅録の音をもっと良くしたい

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Q:
宅録の音をより良くする方法を教えてください。

Arranger/TSさんのA:
僕はDA、ADコンバータとしてプロ仕様のDATを購入。飛躍的に宅録の音が良くなりました!Y(^^)ピース!

Q:
コンピュータ内でマスタリングまでやってAIFFファイルにしてCDRに焼いてしまう場合は関係ないのでしょうか?

Arranger/TSさんのA:
コンピュータ内でマスタリングまでやってAIFFファイルにしてCDRに焼いてしまう・・・それでオーケーですね。僕もそうしています。ただ、ギターや歌をレコーディングするときにどうしてもADを通らなければならないのと、それとやはりT/DするときのモニターもDA通すので、やはり最低でも2chの信頼すべき(というか好きな音のする)AD.DAを持っておくとそれでかなり安心できます。

Engineer/RYOさんのA:
CD-Rに落とす場合その機械の種類・メ−カ−でかなり音が違います。また当然メディアの種類によっても違います。

SCSI経由の方が内蔵よりGood

メディアは高いのもののほうがGood

T**CよりY****AがGood


等等いろいろですね!AD.DAはいろいろありますがPC用でしたらUSB経由はなかなかあなどれません!安くてもProの耳に耐えることができますよ!

Guitarist/SYさんのA:
USB 経由の AD.DA は確かにあなどれない思うのですが、何かのタイミングでドロップしてしまうことがまだ有るようです。プロのスタジオワークでは録音対象機材でネットワークやら他のapplication を使うことはまず無いと思いますので、音楽以外のタスクが発生しないことから、CPU その他ドライバが録音、再生に全部のパワーを使えます。ですが、その他いろいろのapplication をインストール or 使用している場合、USB 経由の音楽データ転送は相当注意した方が良いようです。

R5:果たしてMIDI音源とVXとPBだけで?

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Q:
PB400 と VXpocket を使われているそうですが、MIDI 音源との接続は USB で行われているのでしょうか?USB 経由で音源に出力してそれを VXpocket から取り込んでオーディオにするんですよね。音モタリとかはあるのでしょうか?VXpocket の導入を考えているのですが、G3 400 のみで果たしてやっていけるのかと迷っております。

A:
先ず、MIDI とオーディオのタイミングを各 HDR ソフトの設定法に従って合わせておきます。こちらでは、USB ケーブルにて MOTU MIDI Express XT (USB) に接続、その後 MIDI ケーブルにて音源に繋がっています。USB でダイレクトに MIDI インターフェイス内蔵音源(SC-8850 等)に繋ぐより MOTU の USB MIDI インターフェイスを経由させて、MIDI 接続したほうが Digital Performer 2.61 以上ではタイミングに関わるパフォーマンスは良くなるそうです。

いずれにしても、1台のマルチティンバー音源に沢山の仕事をさせるとタイミングはどんどん曖昧になってきます。VXpocket のアナログ入力は 2ch しかありませんので、どの段階でオーディオにするにしても、1〜2パートずつオーディオにするのなら、USB からスタンダードミディインターフェイスや MIDI インターフェイス内蔵音源へのダイレクト接続でもタイミング的な問題はないと考えます。

波形レベルで見ると結構ずれてますけど、自分のギタープレイはもっとずれてますf^^; 聴感上のグルーブ感に問題がなければOKとします。

仕上げの段階になりますと、ぐっと動作が重くなりますが、当サイトに置いてあるような音楽であれば、PowerBook G3/400(Lombard)を中心とした、これだけの機材でつくれますし、PowerBook 中心でも、さらに入出力周辺ハードウェアやマスタリング関係のソフトウェアを奢れば、もっと突っ込んだサウンド作りもできます。

R6:VXpocket/PB/デジパフォ(調子悪い)

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Q:
VXpocket と PowerBook を使ってレコーディングをしています。ソフトは Digital Performer なのですがどうしても調子が悪いです(フリーズしまくる、Digital Performer が勝手に落ちる、など)。vxpocketをASIO経由で使わずsound manager 経由で使えば少しは良いのですが、それでは16bit までしか使えません。

OSは9.1、digital performer 2.72, vx pocket のドライバーが2.6.0 です。

A:
Finder が正常動作しているという前提ですが、機能拡張書類の整理はじめ、とにかく音楽制作中によけいなタスクが発生して、動作が緩慢になったり中断したりする原因になることを避けてやる事は心がけます。

マシンスペックと作業内容とのバランスや仕上がるサウンドの方向性等を考慮すると、こちら(PowerBookG3/400)ではASIO経由で16bit/44.1KHzで使うことが多いです(2001年)。それでもソフトシンセ(DS-1)を使うとがっくりと動作が鈍くなりますし、トラック使い放題、エフェクト使い放題では動作が鈍くなったあげくにフリーズしやすいですね。

ドラムセットなんかでも最初、仮で Stereo トラックに録って作業を進めますが、Mix の段階で「バランスその他OK!」であればそのまま TD(トラックダウン)します。

複数のトラックに同じエフェクトを掛ける場合は AUX バス送りを使い、クロスフェードを掛けた複数のサウンドバイトも、確定したのなら早めの段階でマージして、CPU の負担を減らす等。CPU に多くの仕事をさせない。できるだけ軽い動作を目指すことが安定した動作につながるということになります。

※R8:新規ファイルでエラー【デジパフォ3】を参照

R7:アコースティックギターのデジタル録音

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Q:
フラメンコが好きでフラメンコギターを毎日かき鳴らしてるものですが、某社のデジタル MTR を買って録音したのですが、音が細いのを何とかするため今まで格闘してきましたが、どうやら上達はしたが、どうもプロの音にはならないし、昔の録音(CD)にも劣るという事になってます。

24bit/44.1kHz で録音して無圧縮。音はきれいには録れてるが生々しすぎるんでしょうか、聴いてると、「これは MD で録音したのに毛がはえた」感じ、、いや、「何も味付けされてない素材」、、、なにか音に加工がないというか、加工の仕方がわるいのか、、、今のところ、コンデンサーマイク(ソニーの ECM-260F 古い!)を近目にして、リミッターで100Hz あたりを Q=0.5 で 9.5db カットして、なおかつ 140Hz を13.5db カットして、録音してます。しかし、生っぽい。

A:
録った音が生っぽいというのは良くない意味でですよね。取りあえず、部屋の鳴り、楽器やマイクの持つ個体差やADコンバータの変換クオリティーのことはこっちに置いといたとして
(/_・)/

オンマイクにされているようですね。他の楽器がかぶる心配がない場合は 40cm 位離してみてはどうでしょう。音がほそいということはサウンドホールが狙えてないかもしれませんね。逆に弦振動自体の比率がサウンドホールの鳴りに比べて少なく録れてるような場合は、サウンドホールから狙いを外します。

リミッターを使われているようですが、100Hz と 140Hz を大きくカットされているのですか?これはイコライザーかな?マルチバンドコンプかな?、コンプ/リミッターはパラメーターさえうまく設定できれば豊かになりますね。

デジタル録音で満足な結果が得られなかったとき、ある程度のクオリティーのアナログテープデッキに、VUメーター「+3db」(デジタル録音では危険)位にピークを合わせて録音し直してみると、結構イケてたりします。これはアナログテープデッキをコンプ/リミッターとして使う方法ですね。

よく言われることに
「アナログ→デジタルに変換すると、元のなめらかな波形がギザギザ(階段状)になるので音が変わってしまう」
「アナログ→アナログだと、元のなめらかな波形はそのままなので音が変わらない」

これはある意味で正しいのですが、またある意味で間違っています。

デジタル録音というのは、レゾリューション(量子化するときの分解能)がある程度以上低ければ(荒ければ)聞いて判ってしまうぐらい音が変わりますし、逆に無限に細かければ、元の音を忠実にデータ化できているはずですね。ところがこの元の音に忠実というのがくせ者で、特に弦をはじくようなエンベロープを持つ楽器では、アタック付近でピークを合わせ、正しくハイレゾリューションでデジタル録音された音を、そのまま正しくアナログ変換して聞いてみると「あれっ?もっと豊かな響きのハズなのに?」

普段、アコースティックギターの音を耳にするときの状態というと、弦振動だけでなく、ボディー全体の鳴り、部屋の鳴りなどといった他のアナログ要素も加わって耳と皮膚で感じ取っている訳で、1本のマイクをオンマイクにセットして弦振動を録った音を忠実にスピーカーから出したものとは違うように聞こえて当然なのです。

アナログ回路は通れば通るほど曖昧な歪みが付加され、元の音に忠実ではなくなります。高級オーディオにしても然りで、真空管をはじめとするアナログ回路がデフォルメ(結局は歪み)してくれて心地よくなったりもします。デジタル録音でもそれに近づくことを目的として、リミッターやマルチバンドコンプ、アナログテープシミュレータ等のソフトウェアやアウトボードを利用したり、場合によってはどこかのプロセスで本物のアナログテープデッキなどを使うことがあります。

どうでしょう?この中に何かヒントがありましたら嬉しいですが、生楽器だと特に楽器の個体差は大きく、ほとんどソロ状態の録音で、大きめのEQ処理が必要な場合は楽器(個体)の持つ問題は大きいです。

※Recording のページにアコースティックギター(スティール弦)をライン録りした MP3 が置いてあります。ギターにはピエゾとコンデンサ両方のピックアップを備えたシステムを装着してありますので、コンデンサのブレンド量により、ライン録りでもエアー感が得られます。エフェクトはコンプのみです。Go >>

R8:新規ファイルでエラー【デジパフォ3】

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Q:
このところずっと調子よかったDigital Performerだったのですが、新規ファイルを起ちあげるときにダイアログが出てファイルの場所を指定しますよね、それで[OK]を押したとたんエラーと出て終了してしまいます。SMFを読み込むときも同じ事になります。ところが以前セーブしたファイルは普通に読めるのです。

PRAMクリア、デスクトップファイル再構築などやっても同じです。環境はほとんどそちらと同じだと思うのですが、

PowerBook G4 500
Mac OS 9.2.1
Digital Performer 3.01
FreeMIDI 1.46

A:
Mac の一般的なトラブルシュートは試みられてるのですね。あとは機能拡張書類の整理もありますが、SMF の読み込みも段取りとしては新規ファイルの起ち上げと同じですので、この場合、簡単に行える事からまず以下のことを試してください。

【システムフォルダ】の中の【初期設定フォルダ】の中の【Digital Performerェフォルダ】の中に【New File Templates】があれば外してから Digital Performer を起ちあげる。このファイルは捨ててしまっても次回 Digital Performerの File メニューから Save As New Tmplate を実行すると自動的に生成されます。

それでもだめなときは【Digital Performerェフォルダ】の中の【Preferences】を外してから Digital Performer を起ちあげます。この場合、基本設定がデフォルトに戻ってしまいますので、せめて MIDI トラックのオートメーション機能ぐらいは利くようにしておきます。(Digital) Performer を快適に(普通に)使うために

それでもだめなら【Digital Performerェフォルダ】をフォルダごと外す。この場合、全設定がデフォルトに戻ります。

それでもだめなら FreeMIDI 関係の初期設定ファイルも外してみましょう。

永きに渡って調子がよいと一般的な対策法も忘れがちになってしまいます。Digital Performer は(Performer も)伝統的に初期設定ファイルが壊れやすいようですね。

R9:DTMには先ず何を買えばいいのか・・・?

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Q:
ギターとMac G4を持っていてDTMにチャレンジしようと思っています。デモ程度のものを録音したいのですが、何を買えばよいのか分からず(デジタルパフォーマーって自分には高くて・・・)、リズムマシンと単体のハードディスクレコーダーも視野にいれはじめました。

A:
音楽制作には何通りかの方法があるわけですが、「どこかの入口に取りあえず踏み入れてみる」ということでもいいと思いますよ。仰るとおり、リズムマシン&単体のハードディスクレコーダーからでもいいと思います。

昨今のリズムマシンはサンプルタイムも長く取ってあるでしょうし、そのうちシーケンサを導入したときでも音源や入力用パッドとしてもつかえますし、、、

ハードディスクレコーダーも、最近のスタンドアロンマシンはクオリティーと値段のバランスもいいですね。なんと言ってもPC+DAWソフトよりもレスポンスが軽く、CPU の負担を気にしなくて済みます。時々、広告音楽などの制作会社でも単体のハードディスクレコーダーを見かけることもあり、それで制作したものをプリプロのみならず、カンパケ作品とすることもよくあります。

こちらでは 8track オープンリールの次に導入したのが 8track のハードディスクレコーダー AKAI DR8 でしたが16bit 48/44.1/32KHz 8track 1GHDD で MIDI 入出力は別売り(1 万8千円位)で定価49万8千円を39万8千円で買って、それでも当時としては「安くなったもんだなー」と思ったもので、隔世の感があります。しかも、デカくて重かった!

手軽な方法で踏み入れるのもいいと思いますよ。それでもスグに使いこなすことは難しいですし、そのうちスキルが上がれば不満な部分も出てきて、次へステップアップということになります。そのときには自分に何が必要かが何種類か見えてくるでしょう。

R10:録音時の量子化ビット数とサンプルレート

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Q:
オーディオCD制作時、最終的に16bit/44.1kHzにするのに、より高スペックで録音したほうがいいのですか?最初から16bit/44.1kHzで録音しても変わらないように思うのですが?

A:
この疑問を持つ人は多いでしょう。16bit/44.1kHz 以上の解像度で録音編集しても、どうせ最後に 16bit/44.1kHz へ変換してデータが劣化する(誤差が生ずる)のだから、より高解像度で録音編集するのはオーバークォリティーであると、、、

デジタルレコーディングでは、一定の解像度の中で行われる録音編集段階の随所でその誤差が生じています。

例えば、少しフェーダーを動かしただけでも演算が始まり、16bit の場合は 65536 分割されたグリッド上で、そしてピッチシフトやタイムストレッチ等の編集局面では時間軸上の解像度が影響しますので、44.1kHz の場合は、1秒を 44100 分割したグリッド上で、その答えの近似値を求めるので、そこで誤差が生じます。さらにパンポットやプラグインエフェクト等々操作が重なれば重なるほど誤差も累積し、その誤差はその時の解像度に見合った誤差として累積します。この累積分の誤差を少なくするために最終プロセス以外はできるだけ高解像度のほうが音質的には有利だと言うことになります。

オーディオを扱うソフト故に、演算上のこの誤差は「音の劣化」と言う表現につながり、悪いことしか無いようにも聞こえますが、16bit/44.1kHz から始めたものでも、元となる音の倍音構成やダイナミックレンジ、プロセッシングの種類や度合いによっては劣化している部分が目立たなかったり、「ざっくりとした」という表現に置き換えてもよいような場合もあるので、必ずしも高解像度で録音しなければいけないと言うものでもなく、時代(マシンスペック等)その他諸々との相談ですね。

Digital Performer は ver 3.1 から、ピッチシフトやタイムストレッチ等の時間軸上の解像度が影響するコマンドの複数回実行時の誤差が累積しないように改善されています。

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